【XR用語集】MR(ミックスド・リアリティ/複合現実)

オトナ女子のためのXR講座!

1からXRを知るために、知っておきたい用語を、あくまでユーザの立場で、

新しい単語はページに1つだけ!(←ここが難しい)

をモットーに、簡単にイメージしやすく解説していきたいと思います。

今回のお題は、MR(Mixed Reality) です。

MRって何でしょうか?

MRはミックスド・リアリティの略語で、日本語では「複合現実」と呼ばれています。
MRは、現実の風景とコンピューターによる3Dの映像を「複合した」(重ねて表示した)映像を作る技術です。

イメージとしては、今から40年前に公開された映画「スターウォーズ」の1作目で、ドロイドのキャラクターR2-D2がヒロインのレイア姫の立体的な映像を映し出したワンシーンは有名です。そんなSF映画のような映像体験がMRなのです。

スターウォーズでは、ルークたちは(何も装置を使用せず)裸眼でレイア姫を見ていましたが、現実では、ゴーグル型の機器を装着することで、周囲の現実の風景にコンピューター映像が「複合」表示されます。さらに、ゴーグルに搭載されたセンサー機能のおかげで、表示された3D映像を手を動かすことで操作し、何らかの反応(変化)を得ることができるのが特徴です。また、ゴーグルを装着した複数人が、同時に同じ3D映像を見て、体験を共有できるという特徴もあります。

MRと、ARVRはどうちがうの?

MRで使うゴーグル型の装置は、見た目はVRでよく使われるゴーグル型の装置と似ていますが、レンズ部分が半透明なのが特徴です。VRは、閉ざされたバーチャル空間を楽しむものなので、レンズは黒く、外の世界を遮断しています。MRでは、ホログラフと呼ばれる3DCGや動画などの映像情報を、現実空間へ重ね合わせるように表示するので、外の世界が見えるようにレンズが半透明なのです。

またMRは、現実とバーチャル空間を重ねて見られるという意味ではARと同じなのですが、AR と異なる点は、情報を表示させるためのマーカーをあらかじめ空間に配置しておいたり、外部カメラやセンサーなどを設置したりする必要がないこと。なによりも専用のコントローラーが不要で、自然なジェスチャーや音声で操作できるのが大きな特徴です。

例えば、AR技術を使った「ポケモンGO」では、ポケモンに近づくことはできません。一方のMRなら、たとえば街角に現れたポケモンの後ろ側に回り込んだり、近づいて自由な角度から見たり、目の前の空間にさまざまな情報を3Dで表示させ、そこにタッチし入力もできます。つまり、複数の友人と同時にポケモンを見て、情報を分析し、協力して戦うこともできるというイメージです。また、半透明なホログラムで表示されたポケモンの体をすり抜けてしまうことなく、リアルに存在している物体のような存在感を作ることもできます。

このように、カメラやセンサーを駆使することで、現実世界と仮想世界をより近づけ、見る側はゴーグルを装着するだけで難しい操作の必要もなく、バーチャルな世界をよりリアルに感じることができるのがMR(Mixed Reality)なのです。

MRを楽しむには?

MRのゴーグル(HMD・ヘッドマウントディスプレイ)の代表的例は、マイクロソフトが開発した「Microsoft HoloLens」です。現実の空間のなかに現れたホログラムの3D映像を見て、手や体の動きで操作できます。

Microsoft HoloLens」ホームページによると、「消費者契約法第 2 条において消費者にあたらない開発者向けのみの販売となっています。」とのこと。まだ一般ユーザが購入するという想定はされていない段階のようです。ちなみに価格も333,800円!価格的にも、手軽に試せるようになっていないようです。

https://www.microsoft.com/ja-jp/hololens/buy

という訳で、どこかMRを体験できる場所は無いか調べてみました!

「MRミュージアム in 京都」

https://hakuhodo-vrar.jp/kyoto2018/

すでに展示が終わってしまっています。。。デモビデオだけでも、様子が良く分かります。博報堂さんが制作したコンテンツは、とてもクオリティが高そうです。ぜひ次の体験会を期待しましょう。

「ナンジャタウン×MRプロジェクト」
第一弾『PAC IN TOWN(パック イン タウン)』

バンダイナムコさんは、最先端の技術を使ったあそびを研究・提案し続けている会社です。バンダイナムコさんが運営する「ナンジャタウン」で、パックマンになることができるMRを使ったゲーム「リアルパックマンアトラクション PAC IN TOWN」が期間限定で公開されています。ここでも「Microsoft HoloLens」を使用しています。

https://bandainamco-am.co.jp/tp/namja/attraction/PAC-IN-TOWN.html

これも期間限定ですが、ナンジャタウンでは新しいMRゲームの開発に力を入れているそうなので、新しいゲームにも注目ですね。

MR未来予想図

MRは、ゲームやエンターテインメントからビジネスシーンにいたるまで、あらゆる分野で今後の成長が期待されています。

市場調査およびコンサルティング企業のTransparency Market Researchは、MR市場は今後も成長を続け、おもにゲーム、エンターテイメント市場を軸にして成長し、10年以内に200億円以上の市場に成長するとの予測を発表しました。

各国でも国レベルで開発投資が発表され、MicrosoftやGoogleなどの大手IT企業からベンチャー企業までが技術開発に力を入れています。

どのような分野で、どのように使われるか、その例をいくつか挙げてみます。

地図や図面の代わりに。

米国ニュージャージー州・トムズリバーにある公的機関Toms River Municipal Utilities Authority(TRMUA)は、地下にある配管を可視化するAR/MRアプリ『vGIS Utility』を採用しています。ここでは、地下に設置された水道・ガス・電気などの目に見えない配管設備を現実世界に表示して、確認することができます。

東京の地下など、複雑に色々な機能が地中に埋められている場合に、掘る前にMRで確認できたら、工事費を削減することができそうです。

ネットショッピングの新しい形

VRサービス「STYLY」を提供する株式会社Psychic VR Labとファッションレーベルのchlomaは、”Mコマース(Mixed Reality Commerce)”サービス「chloma x STYLY HMD collection」を公開しています。服を現実世界に重ねて表示し、服のディテールチェックした後、そのまま購入ができます。

医療技術の発展のために

患者のCTデータをもとに3Dモデルを作成し、術前に骨や血管や神経の走行、腫瘍の大きさや位置を確認して手術の計画を立てたりシミュレーションを行う、という使い方も検討されています。遠隔地からもトレーニングで参加したり、専門医の指示をうけることもできそうです。若い医者がトレーニング目的でMR技術を使っていくことができるシステムは、ぜひ実用化していってもらいたいですね。

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